ねーちゃん事件なのね！

７月６日。
それはねーちゃんのお誕生日。

特別ということもないただの日曜だったはずの、２００８年７月６日。
それは、阿鼻叫喚から始まりました。








「大事件よ」








「俺は疲れたのね」

７月６日午前２時、夜更かしを楽しんでいたねーちゃんの耳をつんざく火災報知機。
ひなた家はマンションの１３階なのですが、火災報知機が仰るには。

「１階で火災が発生しました！」

何　で　す　と。

カーテンを開ければ、窓の外は煙で真っ白。
玄関を開ければ、しっかり焦げ臭い。

報知機の音でビビって固まっている銀さまをとっ捕まえて、キャリーに押し込むことに成功。
ですが小次郎は…。
叫ぶ暴れる逃げる隠れる。
結局家具の隙間に入り込まれてしまって、捕獲できませんでした。

「鎮火しなかったら今生の別れだからな！」←ひどい
と言い残し、銀さま（６キログラム）を背負って、階段で非難。
…膝がおかしくなるかと思いました。

外に出ると、同じマンションの住民の皆さまが集まっていました。
消防や警察、救急の方々が忙しなく行き来するのをただ見守りつつ。
ふと、ひとりの方がねーちゃんに言いました。

「すごいですね。ちゃんと避難用持ち出し袋を用意しているなんて」

でかいリュック状のキャリーを背負っていたので、そう見えたのでしょう。

「…あの。実はこれ、中身は猫しか入ってないんです…」

こう言うのは非常に非常に気まずいのですが、事実なので仕方ありません。
そうしたら、キャリーのサイドのメッシュ窓から中を覗いて。
「わ、ほんとだ。猫ちゃんだ。そうですよねぇ。猫ちゃんも家族ですもんね」
気が付いたら、みんながキャリーを覗き込んでいて、私はどうしたらいいのやら、という感じでした。

火事自体は、１階の住戸の一部を少し焼いた、いわゆる「ボヤ」で済んだ模様で。
１時間もしないうちに、家に戻ることが出来ました。

とは言え。
猫たちには少し後遺症が残ったみたいで、大きな物音ですごく怯えたりとかします。
特に小次郎。
やむを得なかったとは言え、置き去りにされたのが堪えたんでしょうか。
…でも。







治りかけのねーちゃんの手。
小次郎を捕まえようとして、ざっくり爪で切り裂かれました。
写真には写っていませんが、腕にも傷があります。
だらだら血を流しながら避難したんですよー。

ここまで抵抗したんだから、焼き猫になったって本望だよな？








そんなわけないのね。
ねーちゃんは薄情よ？

実際、災害時に私一人で猫二匹をどう扱うか、ちょっと真面目に考えてしまいました。
首輪すらしていないので（つけても外しちゃうんですよ…）、外に逃がしたらほぼアウトですし。
…むむー。

災い転じて、に出来るように、ちょっと本気で対策してみようと思います。